夢に関わる、心震える仕事をするために

👧働き方・健康

令和5年4月12日の東京大学入学式では、グローバルファンドの馬渕俊介さんが祝辞を述べて、その内容が大きな話題になりました。

グローバルファンドとは、低・中所得国での三大感染症(エイズ・結核・マラリア)対策に資金を提供する、2002年1月にスイスに設立された比較的新しい官民協業の機関です。

馬渕さん自身は、東大卒業後に発展途上国支援組織のJICA、世界的に有名な経営コンサルティング会社のマッキンゼー、世界銀行、ゲイツ財団とそうそうたる組織に所属しながら、世界の貧困や感染症に立ち向かう仕事を行ってきた方です。

そんな方が日本最高峰の大学入学式で何を語ってくれたのかを紹介します。

夢に関わる、心震える仕事をして欲しい

中学、高校生のころまでは野球ばかりをしていた馬渕さんですが、東大入学後に片っ端から興味ある授業を受ける中で、とある先住民の儀礼に衝撃を受け、文化人類学者を志し、途上国を旅するようになりました。

しかし、そこでは病や貧困、差別など、洗練された儀礼の裏にある多くの理不尽を目の当たりにして、途上国の現実を知ることで、学者として学びを得るのではなく、彼らのサポートをする仕事をしたいという夢を抱くようになります。

彼は言います。

自分の夢に関わる本当に好きなことをやらないと、それを徹底的に突き詰めることはできない。

好きなことをやってないと、幸せの尺度が「自分が他人にどう評価されているか」になり、その尺度を持つと、上手くいかないときに気持ちが持たない。

また、夢の見つけ方についてこう語っています。

夢は、探し続けて行動し続ける人にしか見つけることはできない。

周りに流されず、自分の興味のままに、探し続けてほしい。

複数分野の経験やスキルを組み合わせることの重要性

感染者の約半分が死に至るエボラ出血熱の大流行を止めるための、緊急対策チームリーダーになった時に直面した課題は、時間と感染拡大させる文化を食い止める事だったそうです。

彼は以下の2つを組み合わせて解決しました。

(1)マッキンゼーで得た、業務プロセス合理化ノウハウ

通常のプロセスでは200億円近いお金を効果的に届けるためには約1年半かかるところを、マッキンゼーで得た経験を駆使し、プロセスを無くす、減らす、後回しにすることで45日に短縮したとのことΣ(゚Д゚)

・・・ウチにもほしい。その経験( ̄▽ ̄;)

(2)文化人類学を学ぶことで得た、医学的な最適解と、文化的な最適解の折り合いのつけ方

エボラは人が亡くなったときに感染力が一番高いのですが、お葬式で死者に触れてお別れをするのがその地域の非常に大切な儀式だったことも感染拡大の大きな要因でした。

医学的な最適解は、亡くなった方に消毒液を掛け、ビニールバッグのまま火葬することなのですが、人は理屈では動きません。

現地の方たちの価値観には全く受け入れられず、報告やご遺体そのものを隠され、それが更なる感染拡大に至ったそうです。

そこで、学生時代に学んだことを生かし、文化人類学者と現地の宗教リーダー、コミュニティリーダー、感染症対策の専門家と共同で「安全な尊厳ある埋葬」を開発しただけではなく、

宗教リーダー、コミュニティリーダーから発信する事の重要性も理解されていたのでしょう。

その埋葬方法が正しく、我々の尊厳と安全を守るのだというメッセージを発信してもらったそうです。

★★★

最後に、馬渕さんは、松下幸之助さんの「道」という詩を引用しつつ、こう結びます。

これまでと比べて圧倒的に不確実で不安定で、危険が多く、逆にとてつもない可能性にも満ちた世界を生きる我々にとって、本当に考えるべきは失敗するリスクではなく、「現状に留まることのリスク」であり、

人類が未来に希望を持って生きていくためには、世界の最高の頭脳が、気候変動や世界の不平等、感染症との戦いなど、世界の最大の問題に立ち向かっていかなければいけません。

日本の最高の頭脳である皆さんにも、世界の、そして日本の最大の問題に立ち向かっていって欲しい。

悩みながら心を定めて懸命に歩む、その充実した時間になることを、心からお祈りしています。

★★★

このスピーチを聞き終わって、

すごい方だと思うし、今更自分が世界をどうこうできるような才能も経験もない。

また、そこに向かって突き進んで行く体力や情熱を最早持ってはいない。

そう感じました。

でも、何か引っかかるんだよな。

なんか、思いっきり悔しいんですよね。同じ時代を生きている人間として。

★★★

私は以前は、いや今も、目の前の業務をこなし、年収をあげ、蓄財をすることで少しでも安定した老後を迎える事を第一に考えています。

その一方で、ブログを書くようになってからは、(ネタ切れ防止が最初のきっかけだったのですが)以前興味があったものや、諦めていたことに対して挑戦してみようと思えるようになってきています。

若いころに比べて動きは重いでしょうが( ̄▽ ̄;)

悔しいですが、ちきりんさんのように「ゆるく」「自分の頭で考えて」生きて行こうと言えるほど、達観(?)していません。

ですが高校生の頃に読んだ、漫画家さくらももこさんの「桃のかんづめ」で文章で人を笑わせることが出来ることに衝撃を受けたことが、文筆家に興味を持ったきっかけです。

以降、大学時代に椎名誠さんが描く文章の奥行きに没頭し、中谷彰宏さんに背中を押され、社会人になってからは、ちきりんさんの描く文章に魅了され、憧れ、嫉妬しながらブログを書き続けています。

とにかく、毎日アウトプットを続けながら、不惑過ぎても、夢に関わる、心震える仕事や経験に出会えるよう探し続けてようと勇気づけられる素敵なスピーチでした。

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