今日、こんなニュースを見ました。
毒物シアン59回検出も未報告 「赤褐色の川」原因の日本製鉄が報告(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース
名門企業の大工場から周辺の海域や流域へ排出される排水中に、毒物であるシアンが59回も検出されてており、これが未報告であったということです。
発端は、漏れ出た別の廃液が原因で近くの川が赤く染まったことで、総点検してみたらシアンの流出が発覚したとのこと。
周辺住民はもちろん、会社内や工場内の真面目に取り組んでいる人たちからすると、踏んだり蹴ったりの状況でしょう。
ちなみに川が赤く染まったのは、タンク破損で漏れ出た液体によるもので、シアンとは関係なかったようです。
ニュースの内容やコメントでは、隠ぺいへの批判と、(分析し異常があれば直ちに報告する)当たり前のことができない傲慢な大企業への批判と失望が多くを占めていました。
当然、周辺環境を汚染し、毒物検出を報告しなかったことは、言い逃れの出来ない非難される事実であり、謝罪と改善対策を構築すべきです。
でも、我々はもう少し考えないといけないかもしれません。
異常があった時、直ちに報告できなかったのは何か理由がなかったのか?
私の前職の営業経験や転職経験から、周辺住民や自治体との関係性は大企業の方が神経質なほどに気を使っているように見えます。
大企業・巨大工場を運営するために、コンプライアンスの下で規則が次々と増え、日々の業務量は工場の稼働当初よりも圧倒的に増加しているはずです。
その一方で、大企業の雇用形態も正社員の比率は大きく低下し、また、その正社員も世代交代により隅々まで知っている方が退職・転職してしまい、暗黙知が流出している問題があります。
10年ほど前に大企業のマザー工場へ営業に行っていたときに目にしていた、勤務時間終了後にキャッチボールをしたり、フォークリフトの練習をするなどの牧歌的な風景はもう、そこにはありません。
また、「失われた30年」で日本は大きく衰退し格差が大きくなる中、所属する企業を(本人だって詭弁だと分かっていながらも)守らなければ、彼・彼女たちの明日がないことは想像に難くありません。
もう一度言います。
間違いは言い訳せずに正すべきです。
ただ、変化し続ける時代の中で、我々も時代認識を修正しながら正しく前向きな批判を心掛けたい。
そう思わされるニュースでした。
この企業、工場が前向きな改善に取り組み、そこで働く方たちすべてが誇りを持って、再び前を向いて働くことができますように。
決して、そこで働く方たちに負担を強いて済むような施策だけで終わらせませんように。
オジサンの独り言 おかわりはコチラ♪→生き方、働き方 | ふわふわ不惑 (fuwafuwafuwaku.com)
にほんブログ村
40代サラリーマンランキング
コメント