先月、転落事故で入院していたとある施設の運転管理所長が、3か月ぶりに職場復帰を果たしました。
その方は5m下に転落し、ヘルメット着用していたおかげで命に別状はなかったものの、各所の骨折と内蔵損傷で、搬送当初は1年程度で復帰は厳しいと言われていました。
私はその一報を受けてすぐに現地へ駆けつけたのですが、搬送後に残った血糊がその衝撃の大きさを物語っていました。
警察&労働基準監督署による現場検証が完了し、我々も最大限の協力をしようと設備の安全対策を計画したのですが、なんせ30年近く前の設備なので粗がたくさん出てきます。
設備の不備を是正するにあたり、転落事故の調査報告書を取り寄せて読んでみると、以下のことが分かりました。
1.不安全な姿勢で作業せざるを得ない設備だった
設備的な要因です。まずはここを改善する必要がありました。
「危ない」と感じた時に声をあげ、改善していければ良かったのでしょうが、人間はそんなに
賢くありません。
また、声が上がったとしても、コスト面などで実現していたかは怪しいものです。
人は、昨日と同じ今日が来るものと信じてしまいます。
以前書いた「引き算の難しさ」と真逆なのですが、継続的な改善の難しさも考えさせられる出来事です。
2.一人で何とかしようとしていた
人的要因です。
誰が見ても危険な姿勢で、重量物を扱っていました。
元々せっかちで有名な人です。
また、傍から見ていると、同僚や部下を頼るのをあまり得意としていません。
これまでも一人でこの作業を行っていたらしく、今回も一人で作業していたようです。
これは、「過信」なのでしょうか?
今回は、人数的に余裕がある中での事故でしたが、人員不足の中での事故であれば発見が遅れたり、疲弊していた場合、打ち所が更に悪くなるなど重篤化していた可能性もあります。
また、回復した本人と話す機会があったのですが、労災保険や休業中の補償や、組合からの見舞金などで金銭的な困窮はなかったとのこと。
ケロっとした顔で、社会保障が手厚い会社で良かったと言っておりました。
ただ、出社後は会社にキッチリと絞られたようですが( ̄▽ ̄;)
皆さんも、入社前には会社の社会保障制度も確認しておきましょう。
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